「私たちを皆殺しにする」 廃墟のウズベク系居住区
2010/06/18 02:59
■キルギス人に憎悪
「キルギス人は私たちを皆殺しにしようとしている」。民族対立で多数の犠牲者が出たキルギス南部オシ。廃虚と化したウズベク系の居住区では16日、放火で焼け出された住民らがキルギス人の「虐殺」を非難し、憎悪を募らせていた。
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記事本文の続き 焼け焦げた子供用のベッドや寝間着が、崩れ落ちた地下室の中に散らばる。ここで、近所の母子6人の遺体を見つけ、埋葬した車両塗装業のシュフラト・アタハノフさん(37)は「言葉も出ない。おれはキルギス人に報復するため自爆攻撃をする覚悟がある」と怒りに震えていた。近くには、焼け崩れた別の白骨遺体が放置されたままだ。
襲撃されたのは主にウズベク系の住宅や商店で、壁には「ウズベク系住民は死ね」などと、民族対立をあおる落書きが残されていた。一方で「キルギス人」とペンキで書かれた家や商店は放火を免れた。
ウズベク系住民らは、居住区から約2キロ離れた岩山の上から丸2日間にわたって狙撃されたと説明。モスク(イスラム教礼拝所)の尖塔のてっぺんの窓に残る弾痕を指さし、「プロの雇い兵を使ったとしか思えない」と話す。
民家や道路には「SOS」の文字が書かれているが、支援物資はほとんど届けられていないという。銃声は消えたが、男たちは居住区に至る道に土のうやコンクリート片を積み上げ、即席の検問所をつくって不審者の出入りを規制している。
道には銃を持ったキルギス人兵士を大勢乗せた装甲車が行き来する。ウズベク系住民らは緊張した表情で、携帯電話で装甲車の位置を教え合い、兵士による銃撃の危険を避けていた。
■ひどい政府いらない
一方、ウズベク国境では、オシから逃れてきたウズベク系の女性や子供が行き場を失い、途方に暮れていた。「逃げようにもウズベキスタンは国境を閉ざし、帰る家も焼かれてしまった」とムハバト・エルゲシェバさん(50)。自分の住んでいた居住区では、病院に数十の身元不明の遺体が集められたが、銃撃や放火のため埋葬すらできなかったと涙を浮かべた。
公式発表で犠牲者数は約190人だが、避難民らは当局がウズベク系の死者を確認したことはないと説明。実際の犠牲者ははるかに多いと口をそろえる。
ムハバトさんらは「こんなひどい政府はいらない」とキルギス人主導の暫定政府の無策を非難。新憲法案の是非を問う27日の国民投票にも「決して行かない」と言い切った。
今回の取材はウズベク系の関係者に案内を依頼したため、キルギス人の声を聞くのは危険な状況だった。しかし、オシの空港で警備に当たる兵士は「キルギス人も一つの皿から家族が食事を取るなど苦しい避難生活を送っている」と話し、キルギス人の中にも困難な状況に置かれている市民がいることを強調した。(オシ 共同)
2010年6月23日水曜日
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